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2008年6月

2008年6月10日 (火)

国研PISA中3アンケート 基礎データ蓄積を今後も

 興味深い調査である。国立教育政策研究所(国研)が5日発表した、「PISA調査のアンケート項目による中3調査集計結果(速報)」のことだ。教育振興基本計画の策定をめぐっては依然こう着状態が続いているが、“ポスト振興計画”のためにも、このような実証的なデータの蓄積を今後も求めたい。

 日本でのPISAは高校1年生に対して6~7月に実施されているから、同じアンケート項目を1~2月、中学校3年生に実施した今回の調査は、2学年下(2006年度は中2)とはいえ「5カ月前の中学時代」の状況を調べようとしたものと言える。

 その結果、高1よりも望ましい回答があった割合の高い項目が多かっただけでなく、OECD加盟国平均をも上回った項目すらある。例えば「科学の話題について学んでいる時は、たいてい楽しい」と回答した割合は、日本の高1で51%だったのに対して、中3では69%と、OECD平均の63%をも上回った、という具合である。

 たった5カ月の間に、何があったのか。象徴的なのが、「観察実験などの体験を重視した理科授業を受けている」割合(関連4項目の平均値)だ。OECD平均が38%、日本の高1は23%と参加57カ国・地域中54位だったのに対して、中3では46%と、16位に入る数値だ。

 もちろん、高1とそれほど変わらない数値もある。中学校段階の理科教育の課題については、国研も指摘するところだ。しかし、それ以上に改善すべきは高校の授業である、ということが鮮明になった結果と言っていいだろう。

 高校の授業改善の問題は別に論じたいが、いずれにしても、こうしたデータの蓄積は、指導要領の改訂論議や授業改善のための条件整備に、大きく資するものであることは間違いない。そんな地道な取り組みを、少しずつ重ねていくことが今後も求められよう。それなしに、やれ3.5%だ5%だのと根拠があるようなないような論議を繰り返して情と政治決着に訴えるだけでは、学校現場の苦悩の解決と、よりよき公教育の推進は望むべくもない。

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