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2009年8月27日 (木)

政権公約〈2〉 食い足りない教職員定数改善

 総選挙では、各党がマニフェストなどで少人数学級の実現などを掲げている。もちろん一般有権者向けの公約であるから具体性に欠けるのは仕方ないのかもしれないが、この間、教職員定数改善計画が据え置かれたことを考え合わせれば、その実現可能性も含めて食い足りなさは否めない。

 自民党は「教員が子供と向き合う環境を作るため、4年以内に少人数学級を実現する」(政策BANK)と期日まで明記しているのに、肝心の配置基準に触れていない。連立を組む公明党も「教職員等の増員や資質の向上に取り組みます」「少人数学級やチームティーチングの導入など学校の実情にあった学級編成ができるようにします」(マニフェスト中長期ビジョン)とするばかりで、具体性に欠ける。

 一方、政権交代が現実のものとなりそうな民主党は「経済協力開発機構(OECD)加盟の先進国平均水準並みの教員配置(教員一人あたり生徒16.2人)を目指し、少人数学級を推進します」(政策集INDEX2009)としているものの、あくまで「目指」す目標にとどめている。新政権で連立を組むことが有力視される社民党は「行革推進法における、教職員数の純減を止め、定数を増やします。学級生徒数は20人を目指し、当面は、30人以下学級の早期完全達成をはかります」「義務教育費国庫負担制度を堅持し、2006年に3分の1に引き下げられた国庫の負担率を2分の1に引き上げます」(政権公約2009)と具体的だが、あくまで少数派としての意見になろう。

 共産党も「教員を増員・正規化し、『教員の多忙化』を解消し、『30人以下学級』をすすめます」(総選挙政策)として定数内非常勤講師の問題にも言及しているが、こちらはあくまで“建設的野党”としての主張だろう。このほか新党日本や「みんなの党」も少人数教育や少人数学級を掲げてはいるが、政権与党入り自体が今のところ不透明だ。

 各党がこぞって何らかの定数改善に前向きな姿勢を示しているのだから、何も難癖をつける必要はないのかもしれない。しかし、政権が替われば定数改善も進む、という状況にあるとは、どうしても思えないのだ。

 気になるのは、自公両党にせよ民主党にせよ、「教員が子どもと向き合う」ためという枕詞を付けていることだ。これは現行教育振興基本計画にも同様の文言が盛り込まれており、それが「定員増の前にまず取り組むべき改革」(2008年11月財政制度等審議会建議)があるとする財政当局への有力な反論にはなり得ないことは、この間の推移を見ても明らかである。

 そうでなくても財源確保が争点となる中では、定数改善も結局は大枠が固まらないと次期計画の策定可能性が見えてこない、という従来の構図は変わらないだろう。少なくとも各党のマニフェストだけでは、明るい展望をうかがうことはできない。日教組の支持を受けた民主党が政権を取れば実現する、という単純な話でも、もちろんあるまい。もっとも、教育に対する公財政支出が本当に国内総生産(GDP)の5%に引き上げられれば、容易に実現する課題なのではあるが。

〔8/28編注〕「健全な野党」を「建設的野党」に修正しました。

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