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2009年9月 8日 (火)

新政権に望む〈1〉 現場の実態踏まえた教育論議を

 総選挙は民主党の圧勝に終わった。主要人事は固まりつつあるとはいえ、新政権がどのような形になるのか、依然として不透明だ。まして文教政策を進める陣容となれば、16日の組閣以降の話だろう。そこで、現段階で総論的な注文を付けておきたい。まずは、教育現場の実態を踏まえた政策論議をすることである。 これは何も一部で主張されるように、民主党の支持団体である日教組に「牛耳られる」ことを懸念してのことではない。

 同党が獲得した308議席のうち、新顔議員が143人と半数近くを占めている。国民の負託を受けた選良にこう言うのは大変失礼だが、その中には政治の“素人”も少なくない。その上、参院109人を加えた両院議員400人余りのうち約100人が政府に配置されるというのだから、党や国会の文教関係メンバーにも残りの“素人”が大量に加わることになる。 「政治家主導」で文部科学省に送り込まれる大臣以下の議員にしても、自民党政権下でそうだったように主要官庁が決まった後での配置になろうから、必ずしも文教行政に明るい者ばかりとは限るまい。

 そうなると、小泉構造改革路線や安倍教育再生路線以上に「外からの教育改革」が迫られる危険性がある――と言ったら、心配のし過ぎであろうか。よく言われる通り、学校教育は誰もが受けてきた国民の関心事であるから、たとえ素人でも一家言を持ちうる。しかし個人的な「教育」論と、国の教育「政策」論とは、自ずと違いがあって然るべきだ。合議制教育委員会におけるレイマン(素人)・コントロールとも立場が異なることは、言うまでもない。

 そうした素人がゼロベースで教育「政策」を論じようとした時、目先の派手な改革メニューに飛びつく恐れが、ないとは言えまい。そうした意味で、民主党マニフェストにある「学校理事会」や「教育監査委員会」は、具体的なイメージがわかないだけに不安が残る。

 それもこれも、選挙期間中から指摘されていたように、民主党に筋の通った教育政策論が見えないためである。もちろん結党から13年間ずっと野党だった“若い”政党のことであるから、致し方ない面はあるかもしれない。だからこそ、これだけ国民の支持を得た責任政党として、じっくりと地に足の着いた教育政策論議を展開してもらいたい。

 新顔議員に勉強してもらうのは当然として、いわゆる日政連議員などの役割も少なくない。それは何も、支持団体の意向を押し通せということではない。日教組本部にしても文科省との協調路線に転換して以降、必ずしも有効な「参加・提言・改革」が展開できているとは言い難い。現場の実態に立脚しつつ、その上で責任ある国の教育政策の立案に資するよう、真の意味で役割を発揮すべき時だ。

 教育界もそうした状況を踏まえ、若い新政権と具体的に論議し、合意を形成していく姿勢が必要だろう。少なくとも、政党の枠組みと組み合わせだけが変わった細川連立政権の時と今回とは、訳が違う。教育界の体質も、「55年体制」からの脱却が模索されなければならない。 

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