« 2010年2月 | トップページ | 2010年4月 »

2010年3月

2010年3月18日 (木)

【社告】お悔やみ

 18日に練習中の事故で逝去されました競輪の富澤勝行選手(千葉85期A1)に哀悼の意を表します。

 近年はS級とA級のエレベーター状態が続いていたとはいえ、新人の時に同期初のS級特進という鮮烈なイメージから、いつも気になる選手でありました。

    「教育ジャーナリスト渡辺敦司の一人社説」社員一同(代表社員・渡辺敦司)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年3月11日 (木)

【池上鐘音】桜の下にて

▼「願わくは桜の下にて春死なん」と詠んだ西行法師が実際に鬼籍に入ったのは建久元(1190)年、鎌倉で幕府が成立する時分だった。帝の都ならば内裏が位置するはずの場所に置かれたのが、鶴岡八幡宮である▼その境内で早咲きの桜が咲き始めた折に、大いちょうが倒れた。「きさらきの望月」(旧暦2月15日)には二十日も早いというのに▼この木に隠れていた公暁(くぎょう)が3代将軍実朝を暗殺したという言い伝えから「隠れいちょう」とも呼ばれるが、推定樹齢800~1000年の下限を取れば“2代目”になる――というのは有名な話だし、報道でもさんざん繰り返されている▼ところで公暁は2代将軍頼家の三男で、出家して僧になっていた。わざわざ敵を追いかけて神社まで来たのか、と思ってしまうが、明治初年までは鶴岡八幡宮寺というれっきとした「寺」であり、公暁は同寺の4代別当(長官)であった。要するに、自分の寺で叔父を殺したわけである▼今では神社としか思われていない全国の八幡宮は、いずれも神仏習合の寺であった。天平勝宝元(749)年、遅々として進まなかった大仏建立に協力するためと称して九州の宇佐(今の大分県)から八幡大神(実際にはその使い)が奈良に入京して以来のことだ▼鶴岡八幡宮寺の僧侶たちは、神仏分離令を受けて積極的に神主に「転向」し、自ら諸堂を破却することさえあったという。その後は国家神道を担い、隣にあった神奈川師範学校(現横浜国立大学教育人間科学部)の学徒出陣式も行われた。実朝暗殺はともかく、少なくともそうした時代の変遷を大いちょうは見送ってきた▼思い返せば昨年の黄葉時、少し寂しそうに見えたのは必ずしも気のせいではなかったのかもしれない。鎌倉期ならば、人々は凶事の前触れだと思うだろう。バーミヤンの大仏のように「恥辱のために崩れ落ちた」とは信じたくないが。

Dscf3892_2

にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ

 ↑ランキングに参加しています。奇特な方はクリックしていただけると、本社が喜びます

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2010年3月 6日 (土)

全国学テ 参加率の高低は本質ではない

 2010年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の参加回答状況が文部科学省から発表された。抽出と希望利用を合わせれば、7割の高率である。これをもって悉皆(しっかい)方式から抽出方式に切り替えた政府=文科省の政策転換を批判する向きもあるようだが、的外れの論議と言わざるを得ない。

 本社が繰り返し指摘しているように、悉皆方式の全国学テの狙いは、個々の学校の教育の結果にまで国が「責任」を持つことにあった。それを抽出方式に切り替えるということは、テストが文字通り「調査」になったということである。希望利用の選択も含めて地方教育委員会の責任が重くなることも、既に論じた

 だから、教育現場や保護者にも悉皆調査を要望する声があるということを根拠にして政策転換の拙速さを指摘することに、意味はない。自分たちの学校や市区町村の相対的状況を知りたければ、希望参加にすればいいだけの話である。

 もちろん、新しい抽出・希望利用方式にも課題はある。希望利用の場合、問題などは無料で提供されるものの、採点や集計、分析は自分たちで行わなければならないことだ。確かに、これは現場の負担になろう。ただ、それも「検証責任」の範囲内である。抽出学テでは、結果の検証も現場に任されたととらえるべきだ。

 そうは言っても、採点などに掛かる時間的・予算的負担は無視できない。これも本社がかねて提案してきたことだが、希望利用を有料制にして従来通り調査結果を提供すればよい。利用料をどの水準に設定するかは、単に予算との相談である。額はともあれ自治体側の負担が原則ということであれば、責任の所在も明確になる。

 あるいは近年お得意の規制緩和路線に乗って、全面的な民間委託や、大学評価のような「認証評価」にするのも一考である。もっとも、それ自体が「民業圧迫」「規制強化」と批判されかねないが。

 これも繰り返しになるが、本社は国が全国学テを行う意義自体まで否定しない。学習指導要領の趣旨を具体的な設問という形でメッセージとして発すること、質問紙調査と併せて学力を左右する背景の分析まで行えることなど、メリットも大きい。

 公立で抽出対象以外の学校の希望利用率が63.2%に上ったことは、むしろ現場側の積極的な対応として評価すべきであろう。何より国立学校の参加率が前年度の100%から79.2%(希望利用率は46..8%)に、私立が47.4%から23.9%(同8.9%)に低下した意味を、よくよく併せ考えるべきである。

にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ

 ↑ランキングに参加しています。奇特な方はクリックしていただけると、本社が喜びます

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年2月 | トップページ | 2010年4月 »