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2011年9月10日 (土)

新政務三役は更新制検証の指示を

 野田佳彦内閣の文部科学省政務三役がそろった。就任会見の限りでは、慎重な出だしのようである。そこで、簡単にできることを手始めとしてお勧めしたい。第1グループがほぼ終了した教員免許更新制の成果を検証するよう、官僚に指示を出すことである。

 更新制は現在、中央教育審議会で検討している教員資質能力向上策の中で発展的に解消される見通しだ。しかしそれでは本社が再三批判しているように、廃止が10年先になってしまう。効果が怪しく、学校現場の負担になるだけの制度を放置するのは責任政党として許されまい。

 それでも「ねじれ国会」の中、自民・公明の前政権が鳴り物入りで導入した制度をいきなり廃止しようとしても不可能であると判断するのは理解できる。だからといって鈴木寛・前副大臣のように「ねじれがなければ更新制の議論は進んだ」(1日の退任会見)と言って済ませるのは、あまりに無責任だ。

 原点に返ってみよう。始めたばかりの制度は、想定通りの効果を上げているか検証されるのが普通である。更新制の目的が「教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ること」であるならば、所定の更新講習を修了した教員に「自信と誇り」が生まれたか、その教員が保護者などから見て「尊敬と信頼」の度合いが増したか、聞いてみればいい。

 本来なら失効者や失効前に退職した者に追跡調査をかけるべきだし、ペーパーティーチャーにもアンケートを行いたいところだが、やりようがないのも理解できる。ただ、需要が増す一方の非常勤講師の確保には既に支障が出ているはずで、教育委員会の状況なら調べられよう。

 現在調査しているのは、各大学の講習が妥当かどうか、満足いくものになっているかどうかだけである。しかしそれはあくまで制度の一環としての調査であり、制度そのものの検証には代わり得ない。

 何も廃止を前提にする必要はない。調査してみて問題があるなら、効果が上がるように手直しすればいいだけだ。それなら野党も反対する理由はなかろう。

 少なくとも鈴木前副大臣も指摘するように10年経験者研修との重複など、すぐに整理できる問題はある。最善の策が難しければ次善、次々善の策を追求するのが「政治」判断というものだろう。

 たとえ調査という行政事務であっても、常に永田町の顔色をうかがう官僚には発案しづらい。他省庁に比べてもその傾向が強い文科官僚にはなおさらだ。だからこそ、ここで政務三役が「政治主導」を発揮すべきである。 

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