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2012年10月 7日 (日)

【池上鐘音】「日本固有」の領土

▼北海道出身者にも、一部地域を除いてアイヌ文化は必ずしも親しいものではない。むしろ無知・無理解からくる差別・偏見が根強く残っていると言ってもよかろう。少なくとも「現代化」学習指導要領(1968~70改訂)で育ってきた者にとって学校での学習機会といえば小学校4年の時、開拓史などと同列で学んだだけだ▼そんな状態だから、東京・有楽町で開催された「アイヌ文化フェスティバル」(アイヌ文化振興・研究推進機構主催)の佐々木史郎・国立民族学博物館教授の講演には多くを教わった。もっとも北方世界全体の中ではアイヌが最も「南」に位置するということは、和人(日本人)の立場からはなかなか気付きにくい▼アイヌは居住地によって北海道アイヌ、樺太アイヌ、千島アイヌに分類され、北海道アイヌはエトロフ島を東の極限とするという。だから1875年の樺太・千島交換条約でウルップ島との間に国境線が引かれたのも理由のないことではない。しかし、その国境のせいで樺太アイヌは宗谷を経て札幌近郊の対雁(ついしかり=現江別市)に、千島アイヌは色丹島に強制移住させられ、慣れない環境に多くの犠牲者を出した▼北に南に、領土問題がかまびすしい。飛び交うのは「我が国固有」という主張だ。しかし以前にも書いたように、国がなければ国境もない。「国」が進出してくる前、人々は自由に移動できた。佐々木教授は「北方領土問題は国同士の問題だけでなく、先住民族アイヌの問題を忘れてはいけない」と述べて講演を締めくくった。

〔過去記事〕

http://ejwatanabe.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_cb5f.html

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