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2013年4月10日 (水)

【池上鐘音】アベデュケーションのフラストレーション

▼8日の衆院予算委員会で、教育等の集中審議が行われた。具体的な予算について全く触れない予算委の問題はおいておくにしても、テレビ中継を意識してか質問者自身のアピールばかりが目立ち議論が深まらなかったのは残念だ。とりわけ中山成彬氏(維新)は3月8日と同様、これが元文部科学相の質問かと目を覆いたくなる▼そんな中で唯一の見どころだったのは、山内康一氏(みんな)との論戦だ。「道徳教育を強化し、教科化したらいじめがなくなるという具体的、実証的なものはあるのか。道徳水準や規範意識が下がっていることを裏付けるデータはあるのか」などという再三の追及に、当初は冷静に対応していた安倍晋三首相のみならず下村博文文科相が珍しく気色ばんだ▼論戦が果たしてかみ合ったものだったかどうか、というのもこの際おいておこう。本欄は先に下村文科相の言動に対して「凄味さえ感じる」と書いた。しかし教科書検定などを除いて慎重な発言に終始していては、相当なフラストレーションがたまっているのだろう。そんなことを推察させる場面だった▼「アベデュケーション」(教育再生実行会議委員の貝ノ瀨滋・東京都三鷹市教育委員長)の全貌は、いまだによく見えない。饒舌な前政権のキーパーソンと違って、下村文科相が多くを語らないせいでもある。文科省ウォッチャーに尋ね回っても、みな分析しあぐねている▼そんな中で珍しく政権の本心を垣間見た思いがしたのは、うがちすぎであろうか。これも現段階では「凄み」といったような抽象的な評価しかできない、ウォッチャーの一人としてのフラストレーションである。

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