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2014年12月

2014年12月30日 (火)

【池上鐘音】マスコミ報道への苦言

▼先月末から重要ニュースが相次いでいるのに、度々のこととはいえ更新が滞っていて恐縮である。年末進行に追われたという単純な事情もあるが、本業である配信記事で伝えるべきことをしっかり伝えたい、という思いがあった▼最近不満なのは、一般マスコミが教育報道で伝えるべきポイントを伝えていないことだ。クラブ詰め記者は役所の「廊下トンビ」や審議会等の傍聴を日夜欠かさないのだから、何が本質かを分かっているはずなのに▼書き手としての事情はよく分かる。読者に分かりやすく伝えることを第一にしているのだろう。11月に行われた学習指導要領の改訂諮問がいい例だ▼多くの記事では英語教育や高校の新教科・科目が焦点だと伝えていたが、最大の眼目である「育成すべき資質・能力」シフトについて伝えなければ、これから起ころうとする大議論を読者は理解できないだろうし、2年後に答申が出た後も誤解を招く恐れがある▼簡潔に本質を伝えることは、記者の取材力と筆力をもってすれば不可能な話ではないはずだ。それを証明したのが、朝日新聞の11月23日付社説だろう。しかしストレートニュースしか読まない読者には、いつまでも本意が伝わらない▼今月に答申のあった高大接続改革にしても、ほとんどの社が「大学入試改革」と伝えていた。答申は大学入試改革ではないと中央教育審議会の安西祐一郎会長があれだけ口を酸っぱくしていたのを、聞いていなかったわけではあるまい▼分かりやすいストーリーしか伝えないのでは、かえって事実誤認を広げる危険性がある。まずは議論の基になる事実を正確に伝えなければ、民主主義下での報道の役割は果たせない▼いわゆる「ゆとり教育」「脱ゆとり」報道の愚を繰り返しては、来るべき教育課程・高大接続改革を正しく進めるための弊害にしかならない。それは既に起こりつつある、ということを自覚すべきだ▼じゃあお前はどうなんだと言われれば、年末進行で苦労した今後の配信記事を読んでくださいと言う他ない。年明けには連続社説を計画しているので、ご期待いただきたい。

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