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2016年10月

2016年10月 4日 (火)

就職活動日程 いっそ採用したら

 10月に入り、一部企業で内定式が行われている。就職・採用活動をめぐっては、経団連が2017年度新卒学生の日程を、今年度と同じく4年生の3月に説明会開始、6月から選考解禁とする方針を決めた。次年度以降は今後、再検討するという。

 会員企業には15年度卒までの3年生12月説明会開始、4月選考解禁が良かったとする意向が強い一方、政権の意向を受けて後ろ倒しにした以上、完全に戻すとは言い出しにくい、ということらしい。

 画期的な提案を申し上げたい。選考解禁が12月だろうと4月だろうと構わない。その代り内定ではなく即、採用するのである。

 もし「やっぱり卒業して学位が欲しい」という学生に逃げられることを心配するなら、残りの在学期間を大学への派遣研修と位置付けてはどうか。企業の課題に直結するテーマを卒論や卒業研究に設定するよう、指導すればよい。初任給の満額支給と言わなくても、奨学金プラスアルファなら経済的負担に悩む学生側にもメリットは大きい。

 馬鹿なことを言うな、と思うだろうか。しかし、よくよく考えてもらいたい。「大卒」を求めると言いながら、実質3年間の学修で、下手をすると3年生も終わっていないのに内定を出している馬鹿な選考をしているのは誰かと。

 大学が「狭き門」だった時代なら、激烈な入学者選抜競争をくぐり抜けてきた者は一定の優秀な人材となる可能性は高かったろうし、「大学では余計なことをするな。企業に入ってから鍛える」と、うそぶくこともできた。しかし、今や大学進学がユニバーサル段階に入った現実を、よくよく直視すべきだ。

 新卒一括採用の見直しというのも、かねてから経団連の主張ではなかったか。青田買いしたくなるほど有能な人材なら卒業を待たずに採用すればいいし、まだ実力不足だと思うのなら、卒業後に期待すればいいだけの話だ。

 いま大学には「三つの方針」を基にした、卒業認定・教育課程・入学者選抜の一体的改革が求められている。4年間で厳しい教育を行って社会に有意な人材を育てようとしているのも、社会からの要請に応えようとしているからだ。

 経団連はこれまで教育に対して、さまざまな提言をしてきた。それは良しとしよう。しかし選考開始が4月だ8月だ、中を取って6月だなどという議論に、教育的な発想はあるのか。

 大学教育への支障を顧みようともしない経団連に、企業の社会的責任を語る資格はない。内定即採用ができないくらいなら、教育に対する口出しも一切するなと言いたいくらいだ。根本二郎氏(故人、元中教審会長)のような見識のある経済人はもう出ないほど、経済界は劣化してしまったのか。

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