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2016年11月 5日 (土)

【池上鐘音】学力トップレベル?

▼秋の密かな楽しみは、財政制度等審議会財政制度分科会の配布資料を読むことである。財務省主計局が文教・科学技術にどんな難癖をつけてくるかと、毎年わくわくする。今年は10月まで暑さが残ったせいか、ようやく11月4日の会合に掛かった▼文部科学省は2017年度概算要求に10年間で3万人近くの定数改善を行う「『次世代の学校』指導体制実現構想」を盛り込んでいるが、そんなものが通る情勢にはないことは織り込み済みだろう。予算折衝の実質的な焦点は通級や外国人児童生徒等への指導の基礎定数化だが、それとて消費増税先送りで財務当局の態度は一変したと漏れ伝わる▼そんな中、面白い表現を見つけた。PISA(経済協力開発機構=OECD=の「生徒の学習到達度調査」)の結果を示し、2000年以降「日本の学力レベルは既に国際的にみて高い水準にある」としている▼あれれ、財務省は今まで学力低下論に立った上で、定数改善をしても学力向上の成果はなかったと主張してきたのではなかったか。もちろんPISAから「日本の子どもに学力低下はなかった」と読み取ることに、まったく異論はないのだが▼参考資料の方で、加配定数には「アクティブラーニングなどの指導方法工夫改善が圧倒的な割合を占めており」としているのは、次年度以降への牽(けん)制だろうか。次期学習指導要領が告示されれば、アクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び、AL)に対応した定数改善計画の本格的論議に迫られるのは必至だからだ▼しかし16年度の改善数のうちAL分は、525人のうち50人にすぎない。1992年度からの第6次「配置」改善計画以降チーム・ティーチング(TT)などを進めたことを、あたかもALが織り込まれているかのように表現するのは意図的なミスリードを狙っているとしか思えない▼奨学金に関しては、参考資料にデータはあるが本文には何の指摘もない。官邸や与党の顔色をうかがいながら折衝を進めているためだろうが、これこそエビデンス(証拠)に基づいた効果検証をすべきではないのか▼かように今年の主計局資料は、面白みに欠ける。それゆえ小子も皮肉っぽく評してみたが、難癖をつけるほどでさえないのは残念なことだ。学校現場の困難が政府部内で真剣に議論されることのないまま、今年も予算編成を迎えそうである。

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