« 小中教員 9000億円タダ働き!? | トップページ | 【内側追抜】某勉強会で »

2017年12月 2日 (土)

【池上鐘音】「忖度」の本質

▼今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」(自由国民社)年間大賞に、「インスタ映え」と並んで「忖度(そんたく)」が入った。当然だろう。選に漏れていたら、それこそ政権に忖度したかと疑問を抱かざるを得ない▼発端は籠池泰典・森友学園理事長(当時)が日本外国特派員協会で記者会見した際の発言だったが、事は「瑞穂の國記念小學院」、あるいは加計学園による岡山理科大学獣医学部の設置認可にとどまらない。政府全体に、安倍首相の意向を忖度する雰囲気がまん延していることだ▼加計学園問題で「総理の意向」文書を「なかったことにはできない」と証言した前川喜平・前文部科学事務次官は官邸ゴリ押しのもう一つの例として「明治日本の産業革命遺産」を挙げていたが、それだけではないだろう。本社説でもたびたび取り上げた「ミサイル教育」も、その一端でしかない▼霞が関通の間には、官僚が内閣の意向を忖度するのは当然だといった受け止めもよく聞かれた。それも昔から仕事のうちではなかったか、と。しかし問題の本質は前川氏が言うように、それによって「行政がゆがめられた」かどうかである▼その前川氏でさえ、在職時には表立って官邸に盾突くことはできなかった。「なぜ現役の時にやらなかったのか」という批判は関係者の間にも根強いが、とりわけ下村博文氏が文部科学相だった時にそんなことが不可能だったことは誰しも分かっていよう▼寺脇研氏との対談『これからの日本、これからの教育』(ちくま新書)では加計学園の設置認可を進め、文科省を批判してきたのが「規制緩和」論者であることを指摘している。財務課長時代の義務教育費国庫負担問題以来、規制緩和派の官僚に文字通り体を張って対峙してきたのが前川氏だ▼たとえ首相の直接的な指示がなかったとしても、官僚がその意向を忖度して適正なスキームを作って「国家権力の私物化」(同書)を正当化してしまう。そのことの方が恐ろしいし、民主主義の危機ではないのか。

にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ

 ↑ランキングに参加しています。奇特な方はクリックしていただけると、本社が喜びます

|

« 小中教員 9000億円タダ働き!? | トップページ | 【内側追抜】某勉強会で »

コラム」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/506419/66112639

この記事へのトラックバック一覧です: 【池上鐘音】「忖度」の本質:

« 小中教員 9000億円タダ働き!? | トップページ | 【内側追抜】某勉強会で »