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2018年10月 6日 (土)

【池上鐘音】大臣の資質

▼柴山昌彦文部科学相が5日の閣議後会見で、教育勅語の現代風アレンジを「検討に値する」とした2日の就任会見での発言を撤回しない考えを明らかにした。文科省として活用を促したものではなく、個人や団体レベルで検討されていることに賛意を示したのだという▼柴山文科相は「あくまでも記者の質問に答えたもの」だと弁明し、「会見録を見てほしい」と繰り返したが、思い違いも甚だしい。就任会見は文部科学行政の長としての姿勢を、記者が読者・視聴者=国民の代表として問うものだ。しかも個人的見解などと注釈を付けることもしなかったから、それが教育課程行政に臨む新大臣の姿勢だと、会見録を素直に読めばそう受け止めざるを得ない▼こうした類の話は、支持者を前にしたスピーチではよくあることだ。「検討」している団体の前なら、なおさらだろう。しかし、公の会見で発言するのとは訳が違う。かの中山成彬氏ですら、文科相時代には外での大放言と会見での慎重な発言を使い分けていた。柴山文科相は外務政務官や総務副大臣を歴任しているが、いったい何を勉強してきたのか▼当人は悪気がなかったのかもしれないが、こうした曖昧な姿勢が忖度(そんたく)されて結果的に行政がゆがめられる恐れがあることは、先の社説で指摘した。それが分からないようであれば、大臣としての資質を疑わざるを得ない。いわんや文部科学相においてをや、である。

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