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2019年5月 6日 (月)

初中教育諮問〈2〉 「人員増」じゃない? 徹底追及を

 10連休明けに当たる7日付の『内外教育』(時事通信社)に、注目すべき記事が2本載っている。中央の動きを伝える「スポット」欄の「教員弾力配置へ標準法見直し」と、取材メモから裏話も含めて伝える「インサイド」欄の「財務省も納得?」だ。

 やはりネット時代にあっても、専門誌は購読すべきものである。記事の内容は、ぜひ当該誌で確認してもらいたい。ただ、「現状の人員のまま」(スポット記事)と「教科担任制イコール人員増」のイメージを文部科学省の初等中等教育局担当者が否定したくだり(インサイド記事)は看過できない。

 とはいえ中央教育審議会では4月17日の総会で諮問直後に自由討議が1回行われただけで、初等中等教育分科会に至っては8日の開催予定である。たとえ真偽を尋ねても、現段階で方針は「何も決まっていない」と言われるのが関の山だろう。これは業界用語で言う「観測気球」の可能性が高い。未確定情報を一部報道機関に流して、関係者や読者の反応を見ようとするものだ。

 しかし本社は、かなり確度の高い検討方向ではないかとみる。インサイド記事にもあるように現下の情勢では、教員の純増につながるような教職員定数改善に「財務省が納得するわけがない」。だからこその「弾力配置」だ。

 本社は先の社説で、小学校の教科担任制が教職員配置と免許制度の「義務教育9年間」に関係してくる出あろうことを指摘しておいた。そう考えれば、スポット記事で紹介されているような案は容易に思いつく。だからこそ焦点は、定数増につなげられるかどうかにあった。記事を読む限り、予想の中では最低の案だ。

 そもそも、この時点で手の内を明かすこと自体に文科省の限界が露呈していよう。表向きは現状維持に見えて、実は純増せざるを得ないような仕組みをたくし込むような高等戦術を仕掛けているのなら別なのだが。

 記事にあるような「配置」は、現場からいって机上の空論であることは明らかだ。しかも中学校教員に更なる負担を強いるもので、働き方改革に逆行すると言っても過言ではない。「専門性の向上」など、昨年論じた免許外教科担任制度の協力者会議報告と同根のフィクションにすぎない。

 せっかく観測気球が上がったのだから、ぜひ中教審の委員・臨時委員には徹底追及を期待したい。その過程でようやく、新時代の在るべき教職員定数について議論の端緒が開けよう。たとえ定数改善が実現しなくても、である。文科省の腹案のままでは、ますます現場を窮地に陥らせる「改善」が行われかねない。

 もっとも最近、間違いや不正確な記事配信も少なくない本社のことである。ポイントや読みがずれているかもしれない。だからこそ中教審等では事務局に丸め込まれることなく、徹底的に議論してもらいたい。

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