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2019年6月

2019年6月 3日 (月)

【池上鐘音】2021年度!?

▼大学入学共通テスト実施大綱の記事を書いていて、ようやく気付いた。5月29日の第14回「大学入学共通テスト」検討・準備グループ会合に示された案では、本文に「令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト(以下『令和3年度大学入学共通テスト』という。)」とあることだ。問題はカッコ書きの方である▼元号で表記しているから気付きにくいが、令和3年は西暦で2021年度になる。しかし今まで共通テストは「平成32(2020)年度から」だと、さんざん言ってきたではないか▼現行の大学入試センター試験は、大学入試=入学年度で表記する。大学入試センターと各大学が共同で行う共通試験なのだから当然だ▼しかし共通テストは「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」と呼んでいた時から、実際に実施される年度で表記してきた。だから20年度センター試験の後継テストが20年度共通テストという、奇妙なことになる。そのため「21年1月からセンター試験に代わって実施される共通テスト」という表現をひねり出して記事を書かざるを得なかった▼正式名称の「令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト」なら、21年度入試に使う20年度共通テストだとも言い張れる。しかし略称で21年度共通テストと認めたら、大げさに言えば方針転換ではないか▼こんなことになったのも、2020というマジックナンバーめいた数字のせいだ。12年末に政権を奪還した第2次安倍政権は東京五輪・パラリンピック招致を契機に、この年度をあらゆる教育改革の「ターゲットイヤー」に据える。学習指導要領の改訂も、小学校の全面実施をオリパラに合わせた英語の教科化という名目で20年度からに早めた▼高大接続改革をめぐっては民間の英語資格・検定試験活用をはじめ、いまだに拙速という批判も根強い。それも「20年度」という数字に、無理やり合わせたためだと言っても過言ではなかろう▼アベちゃんとそのお友達にとって2020という数字がいったい何を意味するのか、よく分からない。ただ、首相はいまだに20年度改憲の方針を捨てていないらしい。やはり何かあるに違いない、と勘繰りたくもなる▼もちろん今回の実施大綱(案)は、あくまで案である。正式通知ではどのような表現になるのか、密かに注目している。

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