【池上鐘音】排外主義をよそに
▼20日投開票の参院選を巡り、日を追うごとに一部政党の排外主義的な主張が目立ってきている。争点化に伴って政府も急きょ外国人政策の司令塔を設置するなど、議席確定後が思いやられる▼そんな折に接するにつれ、公示から週が明けた7日に開催された文部科学省の会合を思い出す。「外国人児童生徒の教育の充実に関する有識者会議」(2025年度第4回)だ。議論の整理(素案)ではグローバル化と少子化・人口減少が進む中、共生社会の実現は不可欠だと強調。学校全体が多様性を包摂し強みにできるよう、マジョリティー(多数派)の変容さえ説く▼日本語指導が必要な児童生徒は外国籍・日本国籍ともに年々増え、23年度は計7万人に迫っている。集住化と同時に、散在化も進む。小学校35人学級に平均1.0人という数値は、全国どこの市町村にも無縁ではない▼有識者会議で注目されるのは、日常生活に困らない日本語指導から踏み出していることだ。各教科等で資質・能力を育成するには、母語の力を借りてでも学習言語を獲得しなければならない。そうしてこそ外国ルーツの子どもはグローバル人材となれるのだし、日本ルーツの子たちにも好影響を与えてくれる▼こうした地味な、しかし重要な議論が進められていることを頼もしく思う。ヘイトスピーチに苦しむ子たちに正対するのも、また学校現場だ▼有識者会議では、家族や外国人コミュニティーの重要性も指摘されている。移民排斥のような言説は、教育にとっても百害あって一利ない。
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